全日本同和会 綱  領

目   的

 全日本同和会は日本国憲法の精神に則り、 全国民の反省と自覚及び実践によって国の責務であり同時に国民的課題である同和問題の完全解決のため自主的かつ積極的に運動を行う団体である。
注(1) 日本国憲法の精神
 日本国憲法第14条に規定する 「すべての国民は、 法の下に平等であって、 人種、 信条、 性別、 社会的身分又は門地により政治的・経済的又は社会的関係において、 差別されない」 の理念を体現することであり、 このことは即ち同和精神の実践化であり、 同和の実をあげることにもなるのである。
 (2)反  省
 因習的偏見に由来する心理的差別意識は個人の尊厳を冒し部落差別を温存するものである、 ゆえに厳しく自己に内省する態度である。
 (3)自  覚
 教養を高め人格を練成し、 自らが正しく強く、 生まれながらにして自由と尊厳において平等であることを自覚することである。

認  識

 全日本同和会は、 部落差別を半封建的、 前近代的な身分階層秩序が因習となり、 これが心理的差別を形成し、 かつ実態差別を生ぜしめ、 この二者が相関関係となり悪循環をくり返し差別を再生産しつつ現代に至ったものと考える。 ゆえに同和問題の解決はこのいづれにも偏重すべきでなくこれを一体的にとらえ基本的人権の完全なる保障を期するため運動を行うものである。
注(1) 半封建的な身分階層秩序
 中世封建社会あるいは近世封建社会にあった身分階層構造、 またはそれ以外の人間賤視にかかわる人間関係の史的精神風土による社会、 これが半封建的であり、 身分階層秩序とは身分階序による縦の人間関係構造の世習性のことである。  これら生活習慣とその意識はやがて社会意識となり差別の実態を醸成したものである。
 (2)因  習
 半封建的社会での、 縦の人間関係による人々の生活心理が社会意識化され、 これが生活習慣となり社会性をおびたとき因習となる。
 (3)心理的差別
 賤称による侮蔑交際の拒否、 婚約の破棄など、 不合理な偏見、 嫌悪の感情による言行の差別である。
 (4)実態的差別
 劣悪な生活環境特殊で低位の職業構成、 平均を上まわる高率な生活保護率、 極度に低い生活文化水準など部落の特徴として指摘される諸現象のことであり、 こうした実態そのものが差別なのである。

実  践

 部落差別は観念の亡霊でもなく遊戯であってはならない。
 この問題の存在は主観を超えた客観的事実に基づくもので厳然として実在する。 ゆえにこれが解消のため実践窮行によって成果を収めることであるが、 全日本同和会は組織の責任の重大性を自覚し社会性を保持するとともに穏健中正なる態度をもって臨み対話と協調を基本として同和対策事業の強力な遂行と同和教育の徹底を期し、 速かなる本問題の完全解決を図る運動を実践するものである。 なお、 差別を行う県市町村行政に対してあくまでも徹底的に追求するものとする。

重点目標

 (1)地方行政機関との協力体制を確立し円滑なる事業の推進をはかる。
 (2)生活環境改善の促進をはかる。
 (3)産業の振興、 経済生活の向上をはかる。
 (4)福祉の増進と向上をはかる。
 (5)同和教育の振興をはかると共に教育、 就職の機会均等をはかる。
 (6)人権擁護活動の普及化をはかる。
 (7)偏向する同和事業、 教育を排除する。
 (8)差別事象、 事件の教育的解決をはかる。
 (9)組織の充実強化及び拡充をはかる。